宮崎 和夫(MIYAZAKI, Kazuo)
- 専門
- スペイン史
- 主な担当科目
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本専攻: 異文化地域論(3)、異文化地域論(3)特論
国際地域研究専攻: ヨーロッパ研究特講Ⅳ-Ⅴ, スペイン語文献研究
比較文化学類: 欧米文化論Ⅰ-Ⅱ,欧米文化論演習Ⅰ-Ⅱ
CEGLOC:スペイン語基礎A
- 研究分野の紹介
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アメリカ大陸の富を集めた
セビーリャの大聖堂の祭壇
16-17世紀ごろのスペインの歴史を専門にしています。当時のスペインは、カトリックを唯一の正しい教えと信じ、不信心者(=イスラーム)や異端者(=プロテスタント)の勢力の殲滅に狂奔し、まだ「正しい」教えを知らない「哀れな」人々を、「永遠の救い」へと導く使命感に燃えながら、金銀財宝を求めて世界中に進出し、植民地を建設していました。そこで生じた、世界規模での富の移動や創出と、人と文化の交流は、グローバリゼーションの先駆けとして論じることもできますが、私が関心を寄せるのは、搾取や抑圧の強化と異文化衝突の頻発であり、時代の流れに不満を抱いた人々であり、そうした現象は、スペイン国内や、スペインの同盟国でさえも生じているということです。
- 研究業績
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1) 『新世界地理第7巻 ヨーロッパI―地中海ヨーロッパ』(共著)朝倉書店, 2010.
2) 『世界歴史大系:スペイン史』(共著)山川出版社,2008.
3) 「歴史の中のイスラームとスペイン市民社会:グラナダ奪取祭の変容」川那部保明編『ノイズとダイアローグの共同体:市民社会の現場から』(筑波大学出版会,2008年)所収.
4) 「16世紀イベリア半島における『ローマ帝国』と『神聖ローマ帝国』」関雄二・染田秀藤編『他者の帝国:インカはいかにして「帝国」となったか』(世界思想社,2008年)所収
5) 「レコンキスタ終結後のグラナダ王国における不寛容:その起源と生成」深沢克己・高山博編『信仰と他者:寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史』(東京大学出版会,2006年)所収
- 受験を希望される方へのメッセージ
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レコンキスタ完遂の記念日
を祝うパレード(グラナダ)
本学大学院でおそらく唯一の、スペイン語で書かれた人文系の学術論文や研究資料を読む授業を担当しているので、テキストは、できるだけ参加者の希望に沿うものを選んでいます。「現代文化」専攻の授業にふさわしい、現代スペイン人の歴史認識などのテーマの文献を授業で読むことも多いのですが、近世のスペインやラテンアメリカに関心を持つ人が授業に参加したりすると、その関係の論文や一次史料や手稿文書を読むこともあります。極めて少人数の授業ながら他専攻からの参加者の割合が高いので、当専攻でスペイン語圏の文化や歴史を専攻する方が増えてくれるとうれしいですが、相異なる学問手法を用いてスペイン語圏を研究対象とする院生同士が、授業で交流することも、また有益ではないかと思います。
- E-mail, Homepage
miyazaki.kazuo.ge(@)u.tsukuba.ac.jp
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